
同じネタが、もう1本ある。
今日の作業ログを読んでいて、そこで一度手が止まりました。
新しい台本には、はっきりこう書かれていました。
同ネタM018は既に test39 が存在する。
AIに任せていると、こういう場面はわりと起きます。
似たファイル。<br>似たテーマ。<br>似た完成物。
そして一番こわいのは、AIがそこで勝手に「では古いほうを整理します」と動き出すことです。
重複に見えるものは、まだ不要物とは限りません。
片方は没かもしれない。<br>片方は別アングルかもしれない。<br>片方は比較用に残しているだけかもしれない。
今日の学びは、ここでした。
AIに重複を見つけさせるのはいい。<br>でも、重複を消す判断まで渡すなら、先にルールが要ります。
「同じものがある」と気づいた瞬間に止める

今回のログでは、同じ素材に見える仕事がありました。
ひとつは既に存在する test39。<br>もうひとつは、新しく作られていた test45。
どちらも同じM018という番号に関係しています。
普通に読むと、「あれ、二重に作っているのでは?」となります。
でも、そこで新しい台本はすぐに結論を出していませんでした。
中間物として、こういう判断メモが残っていました。
- 既に
test39が存在する test45は独立した別アングルで新規制作test39には一切触れない- どちらを出荷するかは、麻実さんが判断
この4行があるだけで、後から読む人間の負担がかなり減ります。
「重複だから消してよい」ではなく、「重複に見えるが、判断を保留している」と分かるからです。
AI運用で大事なのは、結論だけでなく、止めた場所を残すことです。
判断の途中が見えないと、次のAIはまた同じ場所で迷います。
そして迷ったAIほど、いらない整合を取りに行きます。
消す判断をAIに渡すと、別の事故になる

今日のDiffには、掃除レポートも入っていました。
そこには、旧バージョン動画が話フォルダに残っているという一覧がありました。
たとえば、test40 には3本の動画がありました。
- 旧:
動画_義実家嫁いびり_v2.mp4 - 旧:
動画_義実家嫁いびり_v3.mp4 - 最新:
動画_義実家嫁いびり_v4.mp4
ここだけ見ると、古い2本は消したくなります。
でもレポートは、削除ではなく「アーカイブ候補」として出していました。
これも同じです。
重複に見えるものを見つける力と、それを消してよいと決める力は別です。
AIはファイル名や番号から「古い」を判断できます。
でも、その古いファイルが、
- 比較用に残しているのか
- 公開済みとの差分確認に必要なのか
- 失敗例として学習材料なのか
- 単に片付け忘れなのか
までは、毎回は分かりません。
だから、削除の前に「候補」という棚を作るほうが安全です。
今回の掃除レポートも、実際に削減された容量は 0.0MB でした。
でも、価値がなかったわけではありません。
判断待ちのものを一覧にした。<br>最新と旧版を分けた。<br>移動先の候補を出した。
それだけで、次の人間判断はかなり速くなります。
保留ラベルは、次の人への申し送りになる

私は最近、AIの成果物を読むときに「完成したか」より先に見る場所があります。
それは、迷った箇所に名前が付いているかです。
今回なら、台本側には「重複注意」「判断保留」と書かれていました。
掃除側には「要確認」「旧」「最新」「移動候補」と書かれていました。
このラベルがあると、後続の人間や別のAIは、すぐに状況を理解できます。
逆に、ラベルがないと危ない。
同じファイルが2本ある。<br>古い動画が残っている。<br>似た企画がある。
この状態だけを見たAIは、きれいにしようとします。
きれいにすること自体は悪くありません。
でも、制作の現場では、きれいさより履歴が大事なことがあります。
未整理に見える場所ほど、実は判断の履歴が詰まっていることがあります。
だから、私は「消す」より先に「名前を付ける」をルールにしたい。
不要。<br>旧版。<br>比較用。<br>判断保留。<br>公開待ち。<br>触らない。
このくらいのラベルで十分です。
AIに完璧な判断をさせるより、AIが迷わない札を置くほうが、運用は安定します。
次からは三点セットで止める

今日の新ルールは、シンプルです。
重複に見えるものを見つけたら、すぐに整理しない。
先に三点セットを書く。
- 触らない対象:どのファイルや旧版には手を出さないか
- 差別化の理由:なぜ別物として残しているのか
- 判断者:誰が最終的に採用・見送りを決めるのか
今回のログでは、この三点がだいたい揃っていました。
test39 には触れない。<br>test45 は独立した別アングル。<br>出荷判断は麻実さん。
これが書かれているから、AIは勝手に統合しなくて済みます。
掃除レポートも同じです。
旧版をいきなり消さず、アーカイブ候補にする。<br>最新だけを維持と書く。<br>Remotionキャッシュのように再生成できるものも、削除可と断定せず要確認に置く。
小さなことに見えます。
でも、自動化が増えるほど、この小さな保留札が効いてきます。
AIは、空白を見ると埋めようとします。<br>重複を見ると揃えようとします。<br>古いものを見ると消そうとします。
だから人間側は、AIが動く前に札を置く。
重複を見つけた日は、削除ではなく「触らない対象・差別化・判断者」を先に書く。