
朝の掃除レポートを開いたら、いきなり片付けたくなる数字が並んでいた。
旧バージョン動画が、あちこちの話フォルダに残っている。
あるフォルダには旧版が3本。
別のフォルダには旧版が13本。
さらに、ビルド用のキャッシュが158.4MBまで膨らんでいる。
普通なら、こう思う。
「もう使わないなら消せばいいじゃん」と。
でも、今日のレポートはそこで止まっていた。
削除ではなく、こう書いてあった。
最新(維持)。
_archive/...へ移動候補。
次回レンダーで自動再生成されるので削除可。
この3つの書き分けが、今日いちばん大事な中間物だった。
AIで制作物を増やすと、ファイルも増える。
下書き、画像、動画、ログ、検査結果、失敗版、修正版。
成果物が増えるのはいい。
でも、増えた後の掃除を「消すか残すか」の二択でやると危ない。
今日の学びは、AI運用の掃除は削除から始めない、ということだ。
まず最新版を決める。
次に旧版を退避する。
最後に、再生成できる一時物だけを消す。
この順番を間違えると、掃除ではなく事故になる。
掃除なのに、まず消さなかった

今回の掃除レポートには、こういう結果が残っていた。
symlink化: 0件 / 削減見込み: 0.0MBプール不一致でそのまま維持: 45件- 旧バージョン動画の移動候補が複数フォルダに残っている
- ビルドキャッシュが
158.4MBに肥大化している
パッと見れば、あまり片付いていない。
重複をまとめる処理も、今回は0件だった。
45件は、そのまま維持になっている。
でも、私はこの止まり方は悪くないと思った。
理由は、レポートが「削れそうなもの」を雑に削っていなかったからだ。
同じように見える動画でも、実際には最新版と旧版がある。
同じように見える画像でも、再生成できるものと、制作履歴として残すべきものがある。
同じように見えるキャッシュでも、今すぐ消していいものと、次の作業中に参照しているものがある。
ここを見分けないまま消すと、あとで困る。
AI運用のファイル整理で怖いのは、容量を減らすことより、根拠を消してしまうことだ。
人間だけの作業なら、記憶で何とかなることもある。
でもAIと一緒に回す現場では、ファイル名とログが記憶の代わりになる。
なぜこの版になったのか。
どの版が没なのか。
どこから作り直したのか。
それを残しておかないと、次のAIはまた同じ場所で迷う。
だから、掃除レポートがまず「維持」と「移動候補」を分けたのは正しい。
削除ボタンを押す前に、残す理由を決めていた。
最新版を決めない掃除は危ない

今日のレポートでいちばん分かりやすかったのは、旧動画の一覧だった。
たとえば、ある話では旧版が13本残っていた。
v1 から v12 までが旧版で、v13 が最新として維持されている。
別の話では、旧版が5本残り、v4 が最新として維持されている。
この書き方なら、次に見る人が迷わない。
最新版はどれか。
旧版はどこへ逃がす候補か。
削除ではなく、アーカイブ移動で履歴を残すのか。
判断の筋が見える。
もしここで、単に「古い動画を削除」とだけ書いてあったら危ない。
ファイル名の数字が大きいものが本当に正しいとは限らない。
動画の最新版と、品質的な正本が違うこともある。
一度は完成したけれど、あとから差し戻された版もある。
今回の台帳にも、そういう痕跡が残っていた。
検査では合格していても、実態としては作り直しになったものがある。
古い版が、単なるゴミではなく、なぜ作り直したかを示す証拠になっていることもある。
掃除の第一歩は「古いものを消す」ではなく、「今の正本を1つ指さす」ことだ。
正本が決まっていれば、旧版は怖くない。
アーカイブへ逃がせる。
容量を減らす計画も立てられる。
逆に、正本が決まっていないまま旧版を消すと、比較対象も戻り道も消える。
AIに「片付けて」と頼むときほど、ここは人間が先に決める必要がある。
何を最新版と呼ぶのか。
何を旧版と呼ぶのか。
何を再生成可能と呼ぶのか。
この3つを分けない掃除は、速いけれど危ない。
キャッシュと履歴を分ける

もう1つ、レポートには別の種類の片付け候補があった。
ビルド用のキャッシュだ。
/Users/asami/Projects/bunch-daily-free/remotion/public/manga_assets が 158.4MB になっている。
そして、次回レンダーで自動再生成されるので削除可、と書かれていた。
ここは旧動画とは扱いが違う。
旧動画は、制作の履歴を持っている。
どこで直したか、どの版が没になったかをたどる材料になる。
一方、キャッシュは、次の処理でまた作れる一時物に近い。
同じ「容量を食っているファイル」でも、意味が違う。
- 履歴:なぜその判断になったかを残すもの
- 最新版:いま参照すべき正本
- 旧版:正本ではないが、戻り道や比較材料として退避するもの
- キャッシュ:再生成できる一時物
この分類をしないまま掃除すると、履歴までキャッシュ扱いしてしまう。
それがいちばん怖い。
AI制作では、失敗版にも価値がある。
どの指示で崩れたのか。
どの版から直ったのか。
どの検査で見逃したのか。
それが次の品質ルールになる。
でも、キャッシュは違う。
再生成できるなら、残す理由は弱い。
むしろ放置すると、次の作業で古い素材を拾う原因になる。
掃除で本当に決めるべきなのは、削除対象ではなく、ファイルの役割だ。
役割が決まれば、扱いは自然に決まる。
履歴は残す。
旧版はアーカイブへ逃がす。
キャッシュは再生成できる条件を確認して消す。
最新版は、迷わない場所に残す。
これだけで、片付けはかなり事故りにくくなる。
次回から掃除ログをルールにする

今日の掃除レポートは、単発の片付けメモで終わらせないほうがいい。
ここには、次回からのルールがもう見えている。
私はこう決める。
1つ目。
掃除レポートには、必ず 最新(維持) を書く。
最新版が指せないものは、まだ掃除しない。
2つ目。
旧版は削除ではなく、まずアーカイブ移動候補にする。
履歴を消さずに、作業フォルダだけを軽くする。
3つ目。
キャッシュは「再生成できる理由」を書いてから削除対象にする。
次回レンダーで自動再生成 のように、戻る道が分かる言葉を残す。
4つ目。
プール不一致のように判断が割れるものは、維持で止める。
無理にまとめない。
今日の プール不一致でそのまま維持: 45件 は、片付いていない数字ではなく、危ない自動整理を止めた数字として読む。
掃除にも、止まる条件が必要だ。
AIに任せる作業が増えるほど、出力物は増える。
そのたびに「あとで片付けよう」が積み上がる。
でも、片付けは地味に危険な工程だ。
作る工程より、壊したことに気づきにくい。
だからこそ、掃除を感覚でやらない。
最新版、旧版、履歴、キャッシュ。
この4つに分けてから触る。
明日の一手は、旧動画を一気に消すことではない。
まず、掃除レポートの形式を固定することだ。
最新(維持)、旧: _archiveへ移動候補、再生成可キャッシュ、判断保留。
この4つのラベルを毎回使えば、次のAIも人間も同じ基準で片付けられる。
増やす自動化の次に必要なのは、消す自動化ではない。
消す前に、残す理由を言葉にする自動化だ。
AIの掃除は、削除から始めない。まず最新版を決め、旧版を退避し、再生成できるものだけを消す。