
検査結果は、PASSだった。
でも、その下に FAIL 0 / WARN 39 と書いてあった。
この瞬間、私は少し止まった。
失敗はゼロ。
だから進んでいい。
そう読みたくなる。
でも今日のDiffを読むと、そこで進むのは危なかった。
別のログには、画像の不具合がずらっと残っていた。
固定されているはずの人物が消えている。
同じ人物が二重に出ている。
服装が変わっている。
参照にないネックレスまで足されている。
AI制作の検査で見るべきなのは、PASSの文字だけではなかった。
今日はこの一点を書く。
AI自動化では、失敗だけでなくWARNも読む。
WARNは「まあいいか」ではなく、次の設計を直す材料になる。
PASSの文字で安心しかけた

今日の差分に、検査レポートが残っていた。
対象は、AIで作った連続画像の事前チェック。
結果はこうだった。
- 判定: PASS
- FAIL: 0件
- WARN: 39件
- legacy降格によりFAILからWARNへ落とした件数: 6件
ぱっと見ると、通っている。
エラーではない。
止まっていない。
exit codeも0。
自動化の中では、この状態を「次へ進める」と扱いやすい。
でも、ここで大事なのは、PASSが何を保証しているかだ。
PASSは「致命的な停止条件は踏んでいない」という意味に近い。
「品質が十分です」という意味ではない。
今回のWARNには、たとえばこういうものがあった。
- 舞台正本の内容が作業コンテキストに含まれていない
- コマ別行がない
- 群衆語があるのに、モブ安全文言がない
これは、すぐに壊れるとは限らない。
でも、あとで画像がブレる火種になる。
PASSは通行許可であって、完成証明ではない。
この区別を忘れると、AIの検査ログはただの安心材料になってしまう。
WARN 39件が教えてくれたこと

WARNが39件もある時、見るべきなのは件数そのものだけではない。
同じ種類のWARNが繰り返されているかを見る。
今回目立ったのは、コマ別行の不足と、モブの安全文言不足だった。
つまり、AIに渡す前の設計メモが薄い。
人物や背景を「だいたい分かるでしょ」で渡している。
その結果、画像生成側が勝手に補う余地が広がる。
AIは空白を嫌う。
指定されていないところを、もっともらしく埋める。
それが便利な時もある。
でも、連続画像では危ない。
1枚なら自然に見えても、20枚並べるとズレが出る。
服が変わる。
持ち物が増える。
背景の人が消える。
同じ人物が2人になる。
今日のログでは、そういう実例が視覚QCの不具合ログにも残っていた。
panel07 では座席の人物が消えた。
panel09 では高齢男性が奥と手前に二重に出た。
panel14 では服装が設定と違った。
panel15 では参照にないネックレスが追加された。
WARNは、未来の不具合が先に薄く出ている状態だ。
ここを拾えば、失敗してから直す回数を減らせる。
目視ログは失敗ではなく設計材料

AI制作では、目視で見つかった不具合を「また失敗した」とだけ扱うと苦しくなる。
もちろん、公開物としては直す必要がある。
でも運用としては、それだけでは足りない。
目視ログは、次のプロンプトやチェック項目を直すための材料でもある。
今回の不具合ログには、かなり具体的な言葉が残っていた。
- 固定エキストラが消失
- 同一人物が2人存在
- 参照画像と服装不一致
- 参照にないアクセサリーが追加
この粒度で残っていると、次に直す場所が見える。
「もっと丁寧に作る」ではない。
「固定エキストラを消さない」。
「同一人物を二重に出さない」。
「服装を参照と一致させる」。
「参照にないアクセサリーを足さない」。
ここまで言葉になれば、検査ルールにできる。
プロンプトにも入れられる。
生成前チェックにもできる。
人間の目視メモは、AIに戻すための部品になる。
失敗ログを、感想ではなく禁止事項の辞書に変える。
これができると、毎回の直しが次回の品質に残る。
次から見る数字を変える

今日の一手は、制作本数を増やすことではない。
見る数字を変えることだ。
今までは、まずPASSかFAILかを見ていた。
でも次からは、こう見る。
- PASSでもWARN件数を見る
- WARNの種類が同じ場所に偏っていないかを見る
- 視覚QCログに同じ不具合語が増えていないかを見る
FAIL 0を品質保証として読まない
今回なら、WARN 39 が今日の指標だった。
0にしたい数字ではある。
でも、今すぐ0でないから悪いというより、次にどのWARNを減らすかを決める数字だ。
特に、同じ種類のWARNが繰り返されているなら、そこは個別修正ではなくルール化の対象になる。
AIの品質管理は、最後に人間が根性で見るだけでは回らない。
人間が見つけた違和感を、次回の機械チェックに戻す。
その循環を作る必要がある。
だから私は、今日から検査ログを見る順番を変える。
まずPASSを見る。
次にWARN件数を見る。
最後に、WARNと目視不具合ログが同じ方向を指していないかを見る。
そこで同じ火種が見えたら、制作を進める前にルールを直す。
AIに任せるほど、成功の文字よりも、薄い警告を読む力が必要になる。
次回の目標はシンプルだ。
WARNをゼロにすることではなく、同じWARNを同じ理由で繰り返さないこと。
PASSを見たら終わりではなく、その下に残ったWARNを次の設計材料として読む。