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AIに「いいね」と言わせても、企画は強くならない

執筆者:あさモ

企画書、提案、値決め。
ひとりで考えていると、最後はだいたいこうなる。

「まあ、大丈夫な気がする」
「たぶん伝わる」
「ここまで考えたし、出していいよね」

この「たぶん」が、いちばん怖い。

自分で見直しても、穴はなかなか見えない。
当たり前なんだよね。
自分の前提の中で考えているから、その前提自体が甘いことに気づけない。

人に見せても、返ってくるのはたいてい「いいね」。
優しい。
ありがたい。
でも正直、それだけでは企画は強くならない。

本番で突っ込まれて、そこで初めて固まる。
このパターン、かなり痛い。

「いいね」は気持ちいい。でも、仕事では足りない

AIに企画を見せて「どう思う?」と聞くと、AIもけっこう優しい。
いいところを拾ってくれる。
前向きにまとめてくれる。
それっぽく褒めてくれる。

でも、出す前に欲しいのは癒やしじゃない。
欲しいのは、本番で刺される前の予行演習。

ここを間違えると、AIがただの「褒め係」になる。
それはそれで気分はいい。
ただ、企画の弱点は残ったまま。

で、相手に言われる。

「その数字の根拠は?」
「なぜこの価格なんですか?」
「他の案ではなく、これを選ぶ理由は?」

その瞬間に詰まる。
いや、つらい。
でも原因はシンプルで、出す前に一回もちゃんと詰められていないから。

AIは「褒め役」じゃなく「詰め役」にする

やることは1つ。
AIに、あえて意地悪な質問を出させる。

そのままコピペで使える形にすると、こう。

あなたは厳しい審査員です。私の企画(下に貼ります)に、
本番で突っ込まれそうな意地悪な質問を10個ください。
・前提が甘いところ
・数字の根拠がないところ
・反論されやすいところ
を優先して。
各質問のあとに「どう答えれば強くなるか」も一言ずつ添えて。

[ここに自分の企画・提案・値決めの理由を貼る]

ポイントは「厳しい審査員」と「意地悪な質問」を先に指定すること。

普通に「どう思う?」と聞くと、AIはだいたい丸く返してくる。
それはAIが悪いというより、こっちの頼み方がふわっとしている。

だから役割を固定する。
褒めなくていい。
慰めなくていい。
本番で突っ込まれそうなところだけ、先に出して。

このモードに切り替えると、かなり空気が変わる。
「前提が甘い」
「数字が弱い」
「反論されたら崩れる」
みたいなところが、遠慮なく並ぶ。

正直、最初はちょっと嫌な気持ちになる。
でも、それでいい。
出す前に嫌な気持ちになっておけば、本番で固まる確率は下げられる。

出てきた質問を、全部信じなくていい

ここは大事。
AIが出した質問を、全部ありがたく採用する必要はない。

AIは「穴を出す係」。
最終判断をする人ではない。

出てきた10個を見て、使うのは刺さるものだけでいい。

  • これは本当に聞かれそう
  • ここは数字を足したほうがいい
  • この反論には一言用意しておきたい
  • これは的外れだから無視でいい

このくらいの距離感で十分。

AIの質問を見て、企画そのものを変えることもある。
説明を1行足すだけで済むこともある。
「この価格で出す理由」を自分の中で言語化し直すだけでも、かなり違う。

大事なのは、AIに決めさせることではない。
AIに先に嫌な質問を出させて、自分の判断を強くすること。

仕事への転用

この使い方は、企画書だけじゃなくてかなり広く使える。

  • 提案書・企画書:相手に突っ込まれる前に弱点を把握する
  • 値決め:「なぜこの価格?」への答えを用意しておく
  • SNS投稿・LP:反論やツッコミを先読みして文章を補強する
  • 面談・商談前:想定問答を作る
  • 新サービス案:誰に刺さらないのか、先に洗い出す

特に値決めは効く。
価格って、自分でもちょっと弱気になりやすい。
だからこそ、出す前に「高いと言われたらどう答える?」をAIにぶつけておく。

そこで答えが出ないなら、価格が高いのではなく、説明が足りないのかもしれない。
逆に、どう考えても答えられないなら、その案自体を見直すサインかもしれない。

こういう判断の前段にAIを置くと、ただの文章作成ツールではなくなる。
自分の考えを雑に出して、雑なまま進めないための壁になる。

最後に

AIにやらせるのは「穴を出す」ところまで。
直すかどうか、金額、提出、最終判断は、いつも自分。

ここを渡したら危ない。
AIはそれっぽく言うけれど、責任は取ってくれない。

でも、出す前に嫌な質問を浴びせてもらう相手としては、かなり使える。
人に頼むと気をつかわせる。
自分でやると甘くなる。
AIなら、役割を決めれば遠慮なく詰めてくれる。

「いいね」より、刺さる質問のほうが人を育てる。

で、どうする。
次に企画や提案を出す前に、一回だけAIに意地悪な審査員をやらせてみてほしい。
その場で凹むかもしれないけど、本番で固まるよりずっと安い。

AIに褒めてもらうな。出す前に、一回だけ詰めてもらう。穴を見つけるのはAI、直すか決めるのは私でいい。

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