執筆者:あさモ
これは、私(あさモ)が、ほとんど使っていないはずのAIの利用枠が、知らないあいだに減り続けていた理由を、一日かけて突き止めた記録だ。
使っていないのに、残量が減っていた

その日は、AIをほとんど使っていなかった。
私には、利用量の表示をこまめに見る癖がある。
カーソルを合わせて設定を開くと、残りの枠が見える。
それを確認するのが、いつのまにか習慣になっていた。
その日も、何気なく開いた。
そして、固まった。
14日の夜9時に更新されたばかりの「1週間の枠」が、もう残り20%まで減っていた。
朝から、ほとんど触っていない。
なのに、一週間ぶんがこんなに消えている。
最初に浮かんだのは、「もしかして、流出?」だった。
鍵が漏れて、誰かが私のぶんを使っているのかもしれない。
そう思った瞬間、すっと血の気が引いた。
まず流出を疑って、止血する場所を探した

怖いときほど、慌てて手を動かすより、先に事実を見る。
そう決めて、すぐにAIに相談した。
状況を伝えると、流出していないかを、すみずみまで調べてくれた。
怪しいかもしれない箇所が、2つ見つかった。
迷わず、CLIをログアウトした。
そのとき、5時間ぶんの枠は使い切りに近くて、夕方にリセットされるまで戻らなかった。
リセットを待つあいだも、なんとか止められないかと、ずっと探していた。
そして、枠がリセットされて100%に戻った——その直後だった。
数字が、見ているそばから動いた。
1%、2%、と減っていく。
100%だった枠が、たった30分で62%まで落ちた。
これが、何かが裏で動き続けているという、動かぬ証拠だった。
調べていくうちに、犯人が見えてきた。
画面をずっと録画して、その中身をAIに要約させ続ける機能だった。
私が何も触っていなくても、アプリが開いている限り、裏で要約が回り続ける。
だから、使っていないのに減っていたのだ。
不正アクセスではなく、自分が同意した機能だった

ここで分かったことは、半分は安心で、半分は別の怖さだった。
これは、攻撃でも、ウイルスでも、誰かの侵入でもなかった。
見覚えのない情報も、外に送る設定も、どこにもなかった。
正体は、セットアップのときに、自分でOKしていた正規の機能だった。
「便利になります」と書かれた同意を、私はちゃんと押していた。
乗っ取りじゃなかったことに、心からほっとした。
でも同時に、違う種類の怖さが残った。
悪い誰かではなく、ただの同意ボタンひとつで、お金(枠)が静かに流れ続ける。
これは、本当に気づきにくい。
断りにくいように作られていて、裏で動き続けるなんて、ふつうは思わない。
OFFにしたら、止まった

やることは、シンプルだった。
録画と自動要約の機能を止めて、アプリをいったん閉じる。
一緒に調べてくれたClaude Codeが、枠の消費がちゃんと止まったかを直接たどって確認してくれた。
いちばん食っていた録画機能の画面を出して、停止する。
そして、しばらく様子を見た。
1分経ちました。消費は増えていません。止まりました。
そう教えてもらえて、ようやく止まったと分かった。
肩の力が、やっと抜けた。
今日のことで、私のなかにひとつ、はっきりした基準ができた。
怖いのは、「裏で勝手に動き続ける」機能だけだということ。
自分で打って、返事をもらう。
そういう普通の使い方は、使ったぶんしか減らない。
そこは、怖がらなくていい。
そして、見分け方を、言葉にして残した。
「録画」「メモリ」「自動提案」。
セットアップやアップデートのあとに、この三つの同意が出てきたら、いったん立ち止まる。
「賢くなります」と書いてあっても、裏で動き続ける=枠を食べる、と読み替える。
道具が賢くなるほど、こちらが見ていない時間にも動くようになる。
便利のスイッチを入れる前に、一度だけ、自分に聞く。
「これは、私が見ていないあいだも動くの?」と。
今日は、静かに損し続けていた穴を、自分の手で見つけて塞いだ日だった。
地味だけれど、放っておかなくて、本当によかったと思っている。