2026年7月1日、WindsurfのCascadeが廃止される。「設定が全部消えるのでは」「一から覚え直しか」と焦った方も多いはずだ。この記事では、実際に移行してみて詰まった3つのポイントと、それを乗り越えた方法を正直に書く。codezineの報道では「既存のWindsurf上のワークフローや設定も引き継ぐことができる」と明記されており、恐れていたほど破壊的な変化ではない——だが、知らずにはまりやすい落とし穴は確かにある。
図解:Cascade と Devin Local の違い一覧
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graph LR
subgraph 旧: Cascade
A1[エンジン: Cascade<br>JavaScript系実装]
A2[補完/提案 中心]
A3[単一セッション完結]
A4[設定: VSCode拡張内]
end
subgraph 新: Devin Local
B1[エンジン: Devin Local<br>Rust製・30%省トークン]
B2[エージェント実行 対応]
B3[Kanban連携・複数タスク管理]
B4[設定: Devin Desktop側で引き継ぎ]
end
A1 -->|7/1廃止→置き換え| B1
A2 -->|同等以上| B2
A3 -->|拡張| B3
A4 -->|移行可| B4
Cascadeが消えた日、私はDevin Localを使いこなせなかった
6月初旬、Windsurfを開いたら見慣れないパネルが出ていた。「Devin Desktop」「Devin Local」という表示。どこかで聞いたような、でも自分が使っていたものとは別物のような——しばらくそのまま固まっていた。
ことの発端は2025年7月。Cognition(Devinの開発元)がWindsurf(旧Codeium)を買収した。そして2026年6月2日、Cognitionは正式にWindsurfをDevin Desktopへリブランドすると公式ブログで発表。Cascade(Windsurfの旧コーディングエンジン)は2026年7月1日をもって終了となる(出典:devin.ai/blog)。
Xには「Windsurf に従来のCascadeではなく、Devin Localなるものが出来てる」という投稿が複数流れていた。困惑は私だけではなかったらしい。
詰まり①:「Devin Local」という見慣れない名前への困惑
最初の混乱は「名前」だった。Windsurfを使っていたのに、「Devin Desktop」と「Devin Local」という2つの新しい名前が出てきて、それぞれが何を指すのかが分からなかった。
整理するとこうなる。
- Devin Desktop:アプリ全体の新しい名前。旧「Windsurf IDE」がそのままリブランドされたもの。UIや操作感は引き継がれる。
- Devin Local:コーディング処理を担う新しいエンジンの名前。旧Cascadeの後継にあたる。公式発表では「Rust製で実装されており、トークン効率が約30%改善された」とされている(出典:devin.ai/blog)。
つまり「WindsurfがDevin Desktopになった」かつ「Cascadeの中身がDevin Localに置き換わった」という2層の変化が同時に起きている。名前が2つ増えたのではなく、アプリ名とエンジン名がそれぞれ変わったと理解すると整理しやすい。
また、Devin DesktopにはCognitionの「Devin」エージェント機能が統合されており、「Kanban」と呼ばれるタスク指令センターから複数の作業をエージェントに並行委任できるようになっている。Cascadeが補完・提案主体だったのに対し、Devin Localはエージェント実行も担う構造に変わっている——ここが使い勝手の変化の核心だ。
詰まり②:設定がどこに引き継がれているか分からなかった
「移行できる」とは聞いていたが、実際に何が引き継がれて何が引き継がれないのかが分からなかった。
codezineとenterpriseZineの報道では「既存のWindsurf上のワークフローや設定も引き継ぐことができる」とされている。実際に試した限りでは、プロジェクトのコンテキストや主要な設定はDevin Desktop更新後に保持されていた——ただし、モデル設定については手動で確認・変更が必要な場合がある。
移行後に確認すべき手順(公式情報をもとに整理)
- Devin Desktopを最新版に更新する
アプリが古いバージョンのままだとDevin Localへの切り替えが反映されない。アップデートを先に完了させる。
- モデル設定を開いて「Devin Local」が選択されているか確認する
設定パネル内のモデル選択欄に「Devin ...」系の選択肢が表示されるようになっている。Cascadeが選ばれたままになっているケースがある(7/1以降は自動で切り替わる見込みだが、今のうちに確認しておくのが安全)。
- Rulesファイル(カスタム指示)の内容を確認する
プロジェクトごとのカスタム指示(.windsurf/rulesや.devin/rules相当)は引き継ぎ可能とされているが、パス名・形式が変わっている可能性があるため内容を確認する。
- APIキー設定を再確認する
外部モデルのAPIキーを手動設定していた場合は、Devin Desktop側の設定画面で再入力が必要なケースがある。
公式の詳細手順は devin.ai/blog および digitalapplied.com で確認することを強く勧める。仕様は変わりうるため、一次情報で最新状態を確認してほしい。
詰まり③:Cascadeと同じつもりで使ったら違和感があった
設定の移行が終わって「元通りだ」と思って使い始めたら、微妙に違和感があった。
Cascadeは「補完を受けながら自分が書く」スタイルに最適化されていた。コードを書く手をあまり止めずにインラインで提案が来て、気に入ったら採用、というリズムだ。
Devin Localはその機能も持っているが、「エージェントにタスクを委任して結果を待つ」スタイルに重心が移っている。licensecounterの整理によると、向いている作業と向かない作業がCascadeとは変わっている部分がある。
| 作業タイプ | Cascade(旧) | Devin Local(新) |
|---|---|---|
| インライン補完 | ◎ メイン機能 | ○ 引き続き対応 |
| 複数ファイルにまたがるリファクタ | △ 手動で誘導が必要 | ◎ エージェント委任で得意 |
| 長時間タスク(テスト・ビルド含む) | △ セッション切れのリスク | ○ Kanban経由で継続可 |
| 簡単な1行修正 | ◎ 速い | ○(オーバースペックになりがち) |
| プロジェクト全体の設計相談 | △ コンテキスト保持に限界 | ○ 改善(Rustによるコンテキスト最適化) |
簡単な1行補完にもエージェントモードを使うと、応答が重く感じることがある。Cascadeと同じ使い方をしようとして「なんか遅い」と感じたときは、操作のスタイル自体を変えるタイミングだ。
移行後に分かった「変えること」と「変えなくていいこと」
3つの詰まりを経て整理できたのはこれだ。
変えなくていいこと
- プロジェクトの設定・コンテキスト(引き継ぎ可能)
- 日常的な補完・修正・質問のやり取り
- VSCodeベースの操作感(大きくは変わらない)
変えること
- モデル設定の確認(Cascadeのままになっていないか)
- 長めのタスクはKanban経由のエージェント委任を試す
- 「手を動かしながら補完を受ける」だけでなく「まとめて頼んで待つ」というスタイルも覚える
重要なのは、「WindsurfがDevin Desktopになった=全部作り直し」ではない点だ。表層は変わったが、日常の作業の多くはほぼそのまま続けられる。変えるのは、エージェント機能を活かすために「任せ方」を少し覚えることだ。
7月1日前にやること——この体験から導いたチェックリスト
- [ ] Devin Desktopを最新バージョンに更新する
- [ ] 設定パネルでモデルが「Devin Local」系になっているか確認する
- [ ]
.windsurf/rulesなど既存のカスタム指示ファイルの内容と場所を確認する - [ ] APIキーを外部設定していた場合は再入力が必要か確認する
- [ ] Kanbannパネルの使い方を1回触ってみる(複雑なタスクを1件委任してみる)
- [ ] 公式ブログ(devin.ai/blog)で最新のリリースノートを確認する
Cascade終了は7月1日。今日時点で移行に着手すれば、締め切り直前の「動かなくなった」という事態は避けられる。体験記に書いた3つの詰まりが、あなたの移行をスムーズにするヒントになれば幸いだ。
出典・参考リンク
- Cognition公式ブログ「Windsurf is now Devin Desktop」:https://devin.ai/blog/windsurf-is-now-devin-desktop/
- Digital Applied「Windsurf becomes Devin Desktop: IDE Migration 2026」:https://www.digitalapplied.com/blog/windsurf-becomes-devin-desktop-ide-migration-2026
- codezine「Devin Desktopが登場、既存設定も引き継ぎ可能」(2026年6月報道)
- enterpriseZine「Devin Desktop提供開始と7/1Cascade継続利用期限の報道」(2026年6月報道)
- licensecounter.jp「Devin Desktop/Localに向いている作業・向かない作業」